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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻11号

1997年10月発行

文献概要

症例報告

アンピロキシカムによる多形滲出性紅斑型薬疹の1例

著者: 黒川一郎1 魚井美由紀1 桑元香津恵2

所属機関: 1兵庫県立塚口病院皮膚科 2関西医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.900 - P.902

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 アンピロキシカム(フルカム®)による多形滲出性紅斑型薬疹の1例を報告する.症例は39歳,女性.感冒症状にて近医にて抗菌剤,消炎鎮痛剤,総合感冒剤等を処方されたところ,四肢に類円形の滲出性紅斑,target lesion,一部に紫斑が出現,全身の関節痛を伴い,入院.病理組織所見では,表皮へのリンパ球の浸潤,海綿状態,Civatte bodyの存在,真皮上層の血管周囲性の単核球の細胞が認められた.臨床検査所見では,白血球数の減少,血小板数の軽度減少,GOT,GPTの軽度上昇,LDH,CRP,IgAの軽度上昇,血沈の亢進がみられた.入院後,ステロイド,プロスタグランジンE1点滴にて自覚症状,皮疹は軽快した.内服誘発テストを施行したところ,アンピロキシカム内服後に類円形の紅斑が再現された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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