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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻11号

1997年10月発行

文献概要

症例報告

血液凝固第XIII因子活性の低下を伴ったアナフィラクトイド紫斑の1例

著者: 布施暢子1 田嶋徹1 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.903 - P.906

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 血液凝固第XIII因子活性の低下を伴った75歳女性のアナフィラクトイド紫斑の1例を報告した.症状は両上肢,両下腿,腹部の紫斑と腹部の鈍痛.組織は真皮上層の核破砕を伴う血管炎を示し,蛍光抗体直接法で真皮浅層から中層の血管壁にIgA,C3の沈着を伴っていた.小児科領域では第XIII因子製剤はアナフィラクトイド紫斑に対しその有効性が確認されている.成人への投与例は調べ得た限りではわずか4例であったが,すべて有効との報告であった.本症例で第XIII因子製剤単独投与では十分な効果は得られなかった.さらにプレドニゾロン60mgと第XIII因子製剤の併用を試みたが,皮疹,腹痛は持続した.DDS 75mg投与数日で腹痛,皮疹ともに消失した.第XIII因子製剤またはDDSを使用した報告例を集め,若干の文献的考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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