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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻11号

1997年10月発行

文献概要

症例報告

劇症型A群溶連菌感染症の1例

著者: 宮島進1 長沢智彦1 松岡縁1 岡田奈津子1 五郎川伸一2 関谷正志2 畑中行雄2 星充2 山崎大3 小林嬰3

所属機関: 1大阪厚生年金病院皮膚科 2大阪厚生年金病院内科 3大阪厚生年金病院病理部

ページ範囲:P.911 - P.914

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 68歳,男性の劇症型A群溶連菌感染症の1例を報告した.基礎疾患に糖尿病があり,右足痛を訴えた5日後に意識混濁状態で家人に発見され,搬送入院した.入院時,右足関節より遠位は壊死状態で両下肢,右上肢,体幹に紅斑と腫脹を認めた.白血球数,CRPの著明な上昇と,アシドーシス,腎不全を認めショック状態に陥っていたため,抗生剤,γ—グロブリン,カテコラミンを投与の上で,緊急血液透析を行い,右足の切断およびデブリードマンを施行したが,多臓器不全を合併し,入院3日目に死亡した.右足壊死部の組織培養では,A群溶連菌が同定された.剖検では右下肢の壊死性筋膜炎の所見が得られ,また肝,脾臓には敗血症に伴う微小膿瘍の形成がみられたが,腎実質の障害は軽度であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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