文献詳細
症例報告
文献概要
46歳,女性.初診7〜8年前より顔面に小結節が出現.その後,皮疹は顔面全体,上腕,背部,腹部に新生した.病理組織学的所見で,真皮全層に境界明瞭な腫瘍塊の増生を認めた.この腫瘍塊は楕円形の核を有する細胞と線維束とから成っていた.この線維束はelastica-van Gieson染色で黄染したことより,自験例を多発性立毛筋性平滑筋腫と診断した.本症は,子宮筋腫との合併例が多く,発生要因としてエストロゲンとの関係が指摘されている.自験例も子宮筋腫を合併しており,血中エストロゲン値,および免疫組織化学的にエストロゲンレセプターを検討したが,血中エストロゲン値に異常はなく,またエストロゲンレセプターも染出されなかった.
掲載誌情報