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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻12号

1997年11月発行

文献概要

原著

運動負荷試験によって誘発されたurticarial vasculitisの経時的変化

著者: 折原緑1 狩野葉子1 塩原哲夫1

所属機関: 1杏林大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.989 - P.993

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 54歳,urticarial vasculitisを併発するSjögren症候群の女性.運動負荷試験を行い皮疹を誘発し,leukocytoclastic vasculitisに至る初期の病態を組織学的,血清学的に検討した.その結果,運動負荷3時間後に肥満細胞の減少,血清TNF—αレベルの上昇,E-selectinの発現および好酸球の浸潤が生じていることを確認した.さらに,負荷10時間後に好酸球からの顆粒蛋白の放出を認めた.それにより肥満細胞の再刺激,補体の活性化,好中球の遊走がもたらされ,最終的に好中球よりneutrophil elastaseや活性酸素が放出され血管壁の傷害に至ると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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