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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻13号

1997年12月発行

今月の症例

播種状表在性汗孔角化症の1例

著者: 佐伯秀久13 佐藤佐由里1 轟葉子1 江藤隆史1 戸田淨1 小島恵美子2 橋本直明2

所属機関: 1東京逓信病院皮膚科 2東京逓信病院消化器科 3東京大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.1091 - P.1093

文献概要

 65歳,女.親族に同症あり.20歳頃に顔面から皮疹が出現し徐々に体幹,四肢に拡大した.非露光部を含めほぼ全身に,爪甲大までの辺縁がわずかに隆起する黒褐色斑が多発していた.また足底では点状角化病巣が多発し圧痛を認めた.組織像にて錯角化円柱を認め,播種状表在性汗孔角化症と診断した.患者は肝硬変を合併しているためレチノイドなどの内服治療は行わず,尿素軟膏の外用のみ行い皮疹はやや軽快した.また足底の角化病巣を削ることにより圧痛は軽減した.表在播種型は汗孔角化症全体の約10%にみられ比較的稀な病型といえる.また表在播種型の男女比は9:1と圧倒的に男性に多く,自験例のような女性例は極めて稀である.過去10年間に本邦で報告された播種状表在性汗孔角化症11例を集計し報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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