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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻2号

1997年02月発行

文献概要

原著

掌蹠の角化,多発性ボーエン病およびエクリン汗孔癌の併発—砒素との関連について

著者: 石澤俊幸1 杉木浩1 三橋善比古1 近藤慈夫1

所属機関: 1山形大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.105 - P.108

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 65歳,男性.初診の5年前,左下腿伸側に隆起性皮疹出現.初診時,左下腿伸側に鳩卵大の腫瘍,躯幹および大腿には褐色の角化性皮疹,掌蹠に多発性の角化性小結節,背部には脱色素斑が見られた.組織学的検索で,左下腿伸側の腫瘍はエクリン汗孔癌,躯幹および大腿の角化性皮疹はボーエン病と診断した.掌蹠の角化性皮疹は異型性を伴わない表皮の増殖であった.これらの皮疹の原因として砒素を考え,飲料水中の砒素を検索したが,検出限界以下であった.青年期の鉱山労働時に砒素に暴露された可能性が考えられた.本邦の多発性ボーエン病と皮膚悪性腫瘍の合併例について文献的考察を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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