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臨床統計
足底表皮嚢腫35例の臨床的・病理組織学的観察
著者: 木村俊次1
所属機関: 1国家公務員等共済組合連合会立川病院皮膚科
ページ範囲:P.109 - P.112
文献購入ページに移動 当科で10余年間に経験した35例について検討した.臨床的に部位は足底32例,趾腹3例,左足17例,右足18例で左右差なし.年齢は1歳から69歳で,10代が16例46%と最多,男女比2対3で女性に多い.経過は1か月から7,8年にわたり,うち3〜6か月が16例46%で最多.疣状皮疹は8例の嚢腫表面,5例の嚢腫近傍にみられ,8例の嚢腫表面に点状陥凹ないし角化がみられた.組織学的にヒト乳頭腫ウイルス陽性の空胞化は21例60%にみられ,壁のみ陽性が1例,内容のみ陽性が9例,壁,内容とも陽性が11例であった.被覆表皮の空胞化も8例にみられた.空胞化陽性例は女性に多く,経過の短い嚢腫に多かった.この他嚢腫周囲の帯状の線維化が25例にみられ,表皮への開口例でより著明,慢性刺激や自然退縮に伴う所見と思われた.汗管との関連も10例で窺えたが,本嚢腫の汗管由来についてはさらに検討を要すると思われた.
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