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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻2号

1997年02月発行

文献概要

症例報告

C型肝炎に対するインターフェロンα治療中に皮疹が増悪した乾癬の1例

著者: 松村文子1 渋江賢一1 清水昭彦1 古賀哲也1 利谷昭治1

所属機関: 1福岡大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.141 - P.143

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 58歳,男.13年前に乾癬と診断され,ステロイド外用剤などによる加療を受け,最近2年間は皮疹は頭部,爪,肘頭に限局していた.C型肝炎のため,連日インターフェロンα(IFN—α)1000万単位の筋注療法が開始された約3週間後より従来の皮疹の悪化と新たに両手掌と両足底に粟粒大から碗豆大までの角化性紅色丘疹が出現し始めた.IFN—α中止後4,5日間は皮疹の悪化が持続したが,その後徐々に改善し,IFN—α中止後2か月で従来の皮疹は軽快し,両手掌,両足底の皮疹も完全に消失した.以上からIFN—α治療による乾癬の増悪と考えた.悪化の機序については不明であるが,IFN—αの投与による生体内でのサイトカインバランスの変動説など文献的考察を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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