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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻2号

1997年02月発行

症例報告

涙腺,唾液腺に対側性に生じたmucosa associated lymphoid tissue lymphomaの1例

著者: 神戸直智1 秋元幸子1 竹内裕子1 田村敦志1 石川治1 宮地良樹1 橋田巌2 櫻井英幸2

所属機関: 1群馬大学医学部皮膚科学教室 2群馬大学医学部放射線科学教室

ページ範囲:P.154 - P.156

文献概要

 症例は36歳,男性.1994年6月頃から両側頬部が腫脹し,その後両側の上眼瞼に皮下結節が出現した.初診時,左右の上眼瞼外側や耳前部に対側性に皮下結節を認めた.病理組織学的に,真皮から皮下脂肪織にかけて塊状に稠密な単核球の浸潤を認め,耳下腺と考えられる腺管構造が混在していた.浸潤細胞は明るい胞体を有する大型のリンパ球様細胞で,CD19陽性,CD45RO陰性であった.サザンプロット法にて免疫グロブリンH鎖遺伝子の再構成を認めた.B細胞リンパ腫と診断し,複数の腺組織に限局していることなどよりmucosa associated lymphoid tissue(MALT)lymphomaの範疇に合致すると考えた.放射線治療を施行し,腫瘤は速やかに縮小した.現在経過観察中であるが,再発はみられていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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