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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻2号

1997年02月発行

症例報告

転移性皮膚病変が診断の契機となった原発性十二指腸癌の1例

著者: 椙山秀昭1 大竹直人1 古江増隆1 島田眞路1 池田正信2 佐藤公2

所属機関: 1山梨医科大学皮膚科学教室 2山梨医科大学第一内科学教室

ページ範囲:P.158 - P.160

文献概要

 45歳,男性.初診約1か月前に左肩甲部の皮下腫瘤に気づいた.以後腹部,胸部にも増数した.組織学的に低分化型腺癌の皮下腫瘍塊を認めたため,転移性皮膚癌を疑い全身検索を施行した.その結果,腹部CTにて膵鈎部の高さに約40×30mm大の腫瘍性占拠性病変を認め,また上部消化管内視鏡では十二指腸2nd portionに潰瘍堤の明瞭な潰瘍性病変を認めた.内視鏡生検にて皮下腫瘤と同様の組織像を示し,さらに他臓器に腫瘍巣を認めえないことから原発性十二指腸癌とそれによる転移性皮膚癌と診断した.原発性十二指腸癌は全消化管癌に占める割合が少なくまれな疾患であるが,皮膚の転移性病変が診断の契機となった報告は過去にみられず貴重な症例と思われ報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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