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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻3号

1997年03月発行

文献概要

症例報告

熱傷瘢痕上に発生した悪性線維性組織球腫の1例

著者: 宮川昌久13 福積聡1 大草康弘2 田中信2

所属機関: 1静岡赤十字病院形成外科 2静岡赤十字病院形成皮膚科 3静岡赤十字病院耳鼻咽喉科

ページ範囲:P.275 - P.278

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 63歳,男の右大腿熱傷瘢痕部に悪性線維性組織球腫の発生を見た1例を経験した.40年前軽油により右大腿部に熱傷を受傷し,一部に対側大腿より分層植皮を施行されたが他は保存的治療で治癒した.平成6年3月頃より同部に腫瘤を認め急速に増大した.初診時熱傷瘢痕内に一部自潰,悪臭を伴う10×9cm大の腫瘤を認めたため,瘢痕癌を疑い拡大切除,分層植皮術を施行した.病理組織学的検査で悪性線維性組織球腫と判明,補助的化学療法を行った.熱傷瘢痕部における悪性線維性組織球腫の発生報告は,自験例も含め13例であった.熱傷瘢痕に急速な増大を示す隆起性病変をみた場合,有棘細胞癌のみならず悪性線維性組織球腫も考慮する必要があると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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