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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻4号

1997年04月発行

文献概要

症例報告

ステロイドパルス療法中に劇症型抗リン脂質抗体症候群様の症状を呈した中枢神経ループスの1例

著者: 沢田泰之1 谷口裕子1 横関博雄1 片山一朗1 西岡清1

所属機関: 1東京医科歯科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.321 - P.324

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 中枢神経(CNS)ループス患者に対しパルス療法施行中に脳梗塞,腎不全,呼吸不全を合併し,病理解剖にて多臓器に梗塞像を認めた49歳女性例を報告した.初診時,蝶形紅斑,見当識障害,白血球減少,血小板減少,蛋白尿,BFP陽性,抗核抗体(+),抗ds-DNA抗体(+)を認め,CNSループスと診断.BFP陽性,aPTTの延長,多発性脳梗塞より抗リン脂質抗体症候群を疑うも,lupusanticoagulantおよび抗カルジオリピン抗体陰性.ステロイドパルス療法施行後プレドニゾロン60mg内服.上記症状消失するも,アスペルギルス肺炎合併し,2か月後再燃.再度パルス療法を施行したが意識障害,右片半麻痺,小板減少,呼吸困難,急性腎不全出現し死亡.剖検にて左中大脳動脈梗塞,肺梗塞を認め,血小板減少,急性腎不全を含め,劇症型抗リン脂質抗体症候群(catas—trophic antiphospholipid syndrome)類似の病態がパルス療法により誘発されたものではないかと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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