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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻4号

1997年04月発行

文献概要

症例報告

血中ケトン体高値を示した色素性痒疹の3例

著者: 松下佳代1 戸倉新樹1 八木宏明1 横手隆一1 瀧川雅浩1

所属機関: 1浜松医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.333 - P.336

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 血中ケトン体が高値を示した色素性痒疹の3例を報告した.症例1は,肥満症治療のための超低カロリー食による半飢餓療法を契機として発症し,血中および尿中ケトン体の変動が病勢と一致した.病変部皮膚ではケラチノサイトがHLA—DRとICAM−1を発現しており,また患者血清がin vitroでリンパ球のインターフェロン—γ産生を促進させたことから,病態におけるインターフェロン—γの関与が示唆された.症例2,3では食欲低下や不規則な食生活が発症に関わっており,やはり血中ケトン体は高値であった.近年ダイエットや糖尿病などいわゆる飢餓的状態に伴う症例が報告され,代謝と免疫を関連づける因子の存在が想定されている.ここに報告した例では,ケトン体とサイトカインが発症に何らかの役割を演じていると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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