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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻4号

1997年04月発行

文献概要

症例報告

Eruptive vellus hair cystsの1例

著者: 宮城嗣名13 島田篤子2 丸野元美3 野中薫雄3

所属機関: 1沖縄赤十字病院皮膚科 2沖縄赤十字病院病理 3琉球大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.355 - P.357

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 31歳,女性.初診の約1週問前に右肘に圧痛を伴う「にきび様」皮疹に気づいた.毛嚢炎の診断で抗生剤の外用で皮疹は縮小したが,2か月後近傍に同様の皮疹が出現したため当科を再受診した.表皮嚢腫の診断で切除した.病理組織学所見で真皮中層から下層にかけて嚢腫を認めた.嚢腫壁は,表皮型の角化を示し,嚢腫壁の一部に毛包様構造との連続を認めた.脂腺構造との関連は認められなかった.嚢腫内には軟毛と思われる多数の毛の断面を認めた.以上からeruptive vellus hair cystsと診断した.今回蛍光顕微鏡を用いてHE染色標本を観察したが,この方法は光顕による毛髪の判別が困難である時に比較的容易に判別を可能とする方法として有用であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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