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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻4号

1997年04月発行

文献概要

症例報告

HTLV-Iキャリアーに発症したカポジ肉腫の1例

著者: 辻岡馨1 浜中宏1 空地顕一2

所属機関: 1日本赤十字社和歌山医療センター皮膚科 2日本赤十字社和歌山医療第3内科

ページ範囲:P.362 - P.364

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 79歳,女性に発症したカポジ肉腫の症例を報告した.HTLV-I関連脊髄症,糖尿病で加療中であったが,初診の約1年前から左足背を中心として暗赤色の結節が多発してきた.組織所見では真皮上層において内皮細胞が多数の血管腔を形成し,また別の部分では紡錘形の組織球様細胞が稠密に増殖していた.Vascular slitや赤血球の血管外漏出,ヘモジデリンの沈着も認めた.HTLV-I抗体2048倍,HIV抗体陰性.動静脈瘻や他臓器の病変は認めなかった.病変は徐々に拡大し,左下腿や右足にも出現してきた.初診から1年9か月後放射線治療を行い,病変は平坦化し色素沈着となった.HTLV-Iとカポジ肉腫の関連について文献的に検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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