尖圭コンジローム11例に対しビダラビン軟膏の外用を行い,臨床的効果を調べた.うち9例については外用前あるいは外用後の病理組織,パピローマウィルス抗原(papillomavirus genus specific antigen,以下Pgs抗原),ヒト乳頭腫ウイルス(human papillomavirus,以下HPV)DNAについても検討した.その結果,臨床的にも病理組織学的にもビダラビン軟膏外用による効果は認められなかった.しかし,Pgs抗原,HPV-DNAともにビダラビン外用後は外用前と比べて検出率が低下する傾向がみられた.この結果は,ビダラビンがHPV-DNAの複製をある程度抑制していることを示唆し,HPV-DNAの複製の抑制が必ずしも尖圭コンジロームの治療につながらない可能性が考えられた.