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特集 最近のトピックス1997 Clinical Dermatology 1997
1 最近話題の皮膚疾患
文献概要
潰瘍性大腸炎やCrohn病に代表される炎症性腸疾患には種々の腸管外合併症を併発することが知られている.この中で皮膚病変は高頻度に認められ,しかも多彩である.発症頻度の高い皮膚病変としては壊疽性膿皮症,結節性紅斑,肛門病変,口腔粘膜病変などがある.これらの病変の出現は消化管の連続病変として,また,広範囲な消化管病変による吸収障害に基づくものなどがあるが,大部分は腸管病変と同様の病態で発現すると考えられている.炎症性腸疾患の病因は未だ確立したものはないが,基本的には腸管粘膜における免疫機構の破綻があげられている.特に潰瘍性大腸炎では自己免疫的機序が,Crohn病ではT細胞と単球・マクロファージ系細胞の異常を中心とする過剰な免疫反応が注目されている.皮膚病変はこれらの病態と密接に関連して発現してくると考えられる.
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