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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻5号

1997年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス1997 Clinical Dermatology 1997 2 皮膚疾患の病態

アトピー性皮膚炎モデルマウス

著者: 松田浩珍12 紺野克彦1

所属機関: 1東京農工大学農学部 2東京農工大学農学部附属家畜病院

ページ範囲:P.41 - P.45

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 アトピー性皮膚炎(atopic dematitis,以下AD)は,小児に好発し現在もなお増加傾向にある難治性の慢性皮膚疾患である.その発症には遺伝的関与だけでなく,環境因子もまた深く影響していることが指摘されている.しかし,詳細な病因は未だ不明のままであり,病態解明と根治療法の確立には,本疾患のモデル動物の開発は必須と考えられる.我々は,NC/Ngaマウスが,いわゆるconventiona工環境下において,臨床上,ADに酷似した皮膚炎を自然発症することを突き止めた.血漿total IgE値は,皮膚炎の発症とその病状の悪化に比例しながら上昇した.皮膚病変部では,表皮の過形成,マスト細胞の増加と活性化,好酸球の浸潤と活性化,リンパ球およびマクロファージの浸潤などが認められ,ADの所見とほぼ同じであることが判明した.すなわち,NC/Ngaマウスは少なくとも高IgE血症を伴うADのモデルとなり得ると考えられる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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