文献詳細
特集 最近のトピックス1997 Clinical Dermatology 1997
2 皮膚疾患の病態
文献概要
皮膚の生理的老化の所見と光老化との差異について最近系統的に行ったBhawanらと筆者らの研究結果から次のことがわかった.①角層の厚さの増加,表皮細胞の大きさ・配列の不規則性とapoptosis様細胞の出現は生理的老化で認められたが,光老化ではその程度または数が増していた.②表皮のfoot-like projectionの減少,an—choring fibrilの減少,真皮膠原細線維の太さの縮小およびヒアルロン酸の減量は生理的老化でみられ,光老化でその程度または数は更に減じていた.③基底層のメラニン量,真皮のエラスチン量は生理的老化で減少し,光老化で逆に増加をみた.このほか皮膚のcollagenに特異的な架橋(HHL)が生理的老化で増加,光老化で減少していたこと,およびsolar elastosisの異常弾性線維に大型コンドロイチン硫酸プロテオグリカン(versican)が多量に蓄積していたことなど,最近の興味ある報告を紹介した.
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