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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻5号

1997年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス1997 Clinical Dermatology 1997 2 皮膚疾患の病態

遺伝性棘融解性疾患—ダリエ病,ヘイリー・ヘイリー病

著者: 多田讓治1 荒田次郎1

所属機関: 1岡山大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.65 - P.69

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 棘融解性皮膚疾患は自己免疫性水疱症と遺伝性棘融解性疾患(ダリエ病,ヘイリー・ヘイリー病)に大別され,前者の病因については近年その詳細が明らかとなった.一方,後者は,以前からその病変部の電顕的観察,培養による検討,そして,最近ではdesmosome構成蛋白に関する検討がなされてきた.われわれは,表皮角化細胞の接着構造構成成分(desmoglein, plakoglobin, E—cadherin)に対する抗体を用いて,遺伝性棘融解性疾患の病変部,非病変部におけるそれらの局在を蛍光抗体法,免疫電顕法により検討した.それらは非病変部では正常ヒト表皮と同じように細胞膜上に存在したが,棘融解細胞ではdesmo—glein, plakoglobinは細胞質にびまん性に局在した.E-cadherinはその抗体により異なる分布が認められた.この結果から,遺伝性棘融解性疾患はdesmosomeの解離が第一であると考えられるが,そのtriggerおよび機序を説明するには至っていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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