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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻5号

1997年04月発行

文献概要

特集 最近のトピックス1997 Clinical Dermatology 1997 4 皮膚疾患治療のポイント

難治性アトピー性皮膚炎の免疫抑制療法

著者: 川島眞1

所属機関: 1東京女子医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.99 - P.103

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 従来のステロイド外用剤および保湿剤による外用療法と抗アレルギー剤の内服療法に反応が乏しい,アトピー性皮膚炎の難治例の増加が指摘されている.そのような治療抵抗性のアトピー性皮膚炎を対象として,移植免疫抑制剤であるシクロスポリンA,タクロリムス(FK−506)の内服あるいは外用療法が試みられている.近年,明らかにされてきたアトピー性皮膚炎におけるアレルギー炎症のメカニズムから考え,これらの免疫抑制剤がステロイドとは異なった機序で効果を発揮することは十分に予想され,また事実臨床試験からも高い効果が認められつつある.しかし,乳幼児期に発症し慢性に経過し,完治に至ることは困難なことも多い疾患であることを考慮すれば,当然リスクとベネフィットの比に重きを置いた評価をせねばならず,その検討は現在慎重に進められている.また,アトピー性皮膚炎の「難治例」の多くはステロイド外用剤に対する恐怖感から十分な治療が行われていない例であることも注意すべきであり,将来治療の現場で使用可能になった場合にも,対象患者の選択は厳密に行われねばならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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