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Derm.'97
Spitz母斑か,悪性黒色腫か?
著者: 涌井史典1
所属機関: 1日本大学板橋病院皮膚科
ページ範囲:P.163 - P.163
文献購入ページに移動患者さんは14歳の女子で,1年半前より右足内側縁に9×9mmの表面に鱗屑を伴い,紅暈を有する黒色結節が認められたそうです.前医で全切除し,病理組織学的に色素性Spitz母斑と診断されました.この症例につきconsultationを受け,実際顕微鏡で観察してみますとSpitz母斑なのか黒色腫なのか非常に診断に迷いました.そこで当教室で色素性腫瘍の鑑別の際に行っているホルマリン固定パラフィン包埋未染色標本の螢光法的観察と同一切片にHMB-45免疫染色を施してみますと黒色腫を示唆する所見がえられ,cytofluorometryによる細胞核DNA量分析ではaneuploid patternであり,悪性腫瘍の所見にあてはまりました.これらのことからこの症例を結節型黒色腫と確認診断しました.
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