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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻6号

1997年05月発行

文献概要

原著

Cutaneous angiomyolipomaの小括—症例報告と臨床的検討

著者: 鈴木睦実14 米澤郁雄1 小西二三男2 鈴木茂彦3

所属機関: 1福井赤十字病院皮膚科 2福井赤十字病院病理部 3京都大学医学部形成外科学教室 4洛和会音羽病院皮膚科

ページ範囲:P.393 - P.398

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 41歳,男性.自覚症状はなく,20年来漸次増大する右耳介の皮膚腫瘤を主訴に来院した.初診時,径26×37×25mm,茎部は10mm大の表面平滑で常色,弾性軟の球状有茎性腫瘤を認めた.表皮嚢腫,血管腫を疑い切除した.組織像では真皮中層から皮下に,pseudocapsuleを有する腫瘍塊が存在し,血管腔,平滑筋,脂肪から成る.以上より,cutaneous angiomyolipomaと診断した.Angiomyolipomaは過誤腫の性格を持つ,血管,平滑筋,および脂肪から成る良性の間葉系腫瘍と考えられている.腎発生例が多く,結節性硬化症との合併で注目されている.皮膚では我々の調べた限り,1986年のArgenyiらの報告以来,自験例を除いて12例の報告がみられるが,本邦では報告例がない.Angiomyolipomaの腎および皮膚の臨床的特徴について,文献的考察を加えて検討した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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