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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻6号

1997年05月発行

文献概要

今月の症例

タール・ピッチによる皮膚障害の1例

著者: 宮本雅人13 高橋一夫1 吉田貞夫1 長谷哲男2 中嶋弘2

所属機関: 1横浜南共済病院皮膚科 2横浜市立大学医学部皮膚科学教室 3国立療養所多磨全生園皮膚科

ページ範囲:P.406 - P.408

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 40歳,男.20歳時からタール・ピッチが充満する弾丸工場で働いていたが,10年経過の30歳ころから露出部に色素沈着,色素脱出,紅斑,疣贅状皮疹などが出現し,漸次増悪してきた.疣贅様皮疹の病理組織学的所見は,三部に錯角化を伴う著しい角質増生,表皮肥厚,表皮突起の延長,基底細胞ないし有棘細胞の軽度の異型性,真皮上層の小円形細胞浸潤などで,前癌状態を思わせた.また,細胞周期に関わるFas, P53,サイクリンD1,cdk 4などの免疫組織化学的所見も前癌状態に矛盾しないものであった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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