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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻6号

1997年05月発行

文献概要

症例報告

十二指腸潰瘍を伴ったアナフィラクトイド紫斑の1例

著者: 水木大介1 伊藤あおい1 長島弘明1 野村和夫1 橋本功1 小枝淳一2 田崎理子3

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科教室 2弘前大学医学部第1内科 3たさき皮膚科

ページ範囲:P.437 - P.439

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 33歳,男性.38℃台の発熱と咽頭痛を生じ,その6日後より両大腿に紫斑,小水疱,血疱が出現.次第に下腹部,腰臀部,下腿にも広がった.組織所見はleukocytoclastic vasculitis.皮疹出現後8日目に突然上腹部の激痛が出現.上部消化管内視鏡検査にて,十二指腸下行部2か所に穿孔直前の深い潰瘍が認められた.プレドニゾロンおよびH2—blocker製剤の投与により,腹痛は著明に改善,皮疹出現後32日目には内視鏡的に潰瘍も瘢痕治癒した.その後プレドニゾロンは漸減中止した.アナフィラクトイド紫斑において,穿孔に至るような重症の十二指腸潰瘍合併例は比較的稀であるが,重篤な消化管合併症の早期発見のために,内視鏡検査は必要不可欠であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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