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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻6号

1997年05月発行

文献概要

症例報告

限局性強皮症様皮膚病変を呈した進行性顔面半側萎縮症の1例—発症基盤からみた分類の検討

著者: 野村和夫12 橋本功1

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科 2青森県立中央病院皮膚科

ページ範囲:P.444 - P.447

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 限局性強皮症様皮疹を呈した進行性顔面半側萎縮症の1例を報告するとともに,本症の随伴する病態の解析を試みた.症例は12歳,男子.左頬部から下顎部にかけて半側萎縮がみられ,開口障害,舌萎縮も伴う.同部の皮膚は帯状に硬化,色素沈着を呈する.組織では,膠原線維の増生,膨化,均質化に加えて,脂肪織にも及ぶリンパ球の巣状浸潤.抗核抗体,抗DNA抗体陽性.最近15年間の本邦報告例27例を検討すると,男女比,罹患側には差がなく,平均発症年齢は14.6歳であった.随伴症状として強皮症,あるいは強皮症様皮膚変化が10例,神経系の異常が9例,免疫異常が4例に認められた.したがって,本症を発症基盤の面から分類すると,本症は強皮症に伴うもの,神経系の異常によるもの,免疫異常の3群に大別され得ることがわかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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