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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻6号

1997年05月発行

文献概要

症例報告

Phenytoinが奏効したlinear IgA bullous dermatosis of childhoodの1例

著者: 野口俊彦13 坪井広美1 藤岡彰1 橋本明彦1 浅井俊弥1 瀬在由美子2

所属機関: 1北里大学医学部皮膚科学教室 2セザイ皮膚科クリニック 3野口病院皮膚科

ページ範囲:P.453 - P.455

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 3歳,男児.初診1か月前より水疱が出現し,徐々に全身に広がった.初診時,ほぼ全身に緊満性水疱,浮腫性紅斑がみられ,一部の紅斑の辺縁には小水疱が環状に配列していた.組織学的には表皮下水疱で,蛍光抗体法にて基底膜部に一致してIgAの線状沈着が認められた.以上よりlinearIgA bullous dermatosis of childhood(LABDC)と診断した.DDSの投与により水疱,紅斑とも消退したものの肝機能障害が出現したためDDSを中止した.Phenytoin 8mg/kg投与し有効血中濃度に達した頃より,水疱,紅斑は消退し始めた.Phenvtoinの効果を検討するため減量したところ,水疱が新生し始め,元の量に戻すと水疱は消失した.略治状態で3年かけて減量した.投与中止後2年経過するが再発は見られていない.Phenytoinが著効したLABDCの報告はなく,その作用機序を含め若干の文献的考察を行った.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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