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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻6号

1997年05月発行

文献概要

治療

下口唇部有棘細胞癌の切除後の両側唇弁反転法を用いた再建例

著者: 刈谷公美1 中島英貴1 永野弓枝1 平田靖彦1 山本康生1 小玉肇1

所属機関: 1高知医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.471 - P.474

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 87歳,男性.1年半前より下口唇にびらんが出現し,扁平苔癬と診断した.エトレチナートの内服は有効であったが,内服を中止した半年後より同部が隆起しはじめ,乳頭腫状の腫瘤となった.組織検査の結果,有棘細胞癌と診断し,全身麻酔下にて摘出術を施行した.約65%の下口唇全層欠損となったため,上口唇動脈を含む両側唇弁反転法(Reversed Abbe Flap)を用いて再建した.唇弁切離術は11日後に行い,その翌日より義歯の装着は可能だった.また,扁平苔癬の組織像のなかに角化傾向の強い細胞が真皮内に浸潤している像が見られ,この部より有棘細胞癌が発生したと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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