icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻7号

1997年06月発行

文献概要

症例報告

二重膜濾過血漿交換療法により救命しえた中毒性表皮壊死症(TEN)型薬疹の1例

著者: 和田紀子1 山田裕道1 小沢芳樹2 増田智栄子3

所属機関: 1国際親善総合病院皮膚科 2国際親善総合病院麻酔科 3いずみ野皮膚科

ページ範囲:P.517 - P.520

文献購入ページに移動
 患者は41歳,女性.セデス®により誘発された中毒性表皮壊死症(TEN)型薬疹.ステロイド剤の大量投与にて治療するも改善傾向はみられず,表皮剥離は体表面積の90%に達したため二重膜濾過血漿交換療法(DFPP)を併用した.3回のDFPP施行によりびらん面は速やかに上皮化傾向を示し,約3週の経過で治癒に到った.TEN型薬疹の発症機序は不明であるが,少なくとも自験例においては,DFPPにより分子量20〜30kD以上の物質,すなわちnecrolytic factorなどが除去された結果,TENの皮疹が改善したものと推測された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?