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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻7号

1997年06月発行

文献概要

症例報告

Hereditary papulotranslucent acrokeratodermaの1例

著者: 布施暢子1 鈴木新1 栗原理1 田嶋徹1 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.536 - P.539

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 41歳,男性のhereditary papulotrans—lucent acrokeratodermaの1例を報告した.父,兄に同様の症状あり,長男の足底に1つ丘疹を認める.両手掌辺縁,第1指から第II指への移行部,指側縁に半透明の扁平隆起する表面平滑な丘疹が多数散在していた.両足底側縁,踵部は角質増殖が著しく,透明な点状陥凹が多発していた.手掌と足底の組織所見はほぼ同じであり,丘疹に一致した角質増殖,顆粒層の肥厚を示し,真皮には特記すべき異常所見はなかった.5%サリチル酸ワセリン軟膏外用にて経過観察中であるが,あまり変化はみられていない.本疾患は報告例が少ないが,それほど稀な疾患ではないと思われる.本症例のように疣贅と間違われて伝染に対する危惧に悩まされている患者を考慮し報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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