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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻7号

1997年06月発行

文献概要

症例報告

Blaschko線に一致して生じたケラトヒアリン母斑の1例

著者: 佐藤優子1 井上奈津彦1 本田まりこ1 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.541 - P.543

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 44歳,女性.家族内に同症なし.生後3か月頃より頸部,腋窩,上肢,腹部,下肢に角化性病変が存在.40歳頃からは同様の皮疹が,夏に前腕に拡大し冬に消失していた.初診の約3か月前より全身の塩揉みを始めたところ,前腕内側に鱗屑を付着する紅色局面がおおむねBlaschko線に沿って拡大した.組織学的に角化性病変および新生した紅色局面ともに角質増殖,表皮肥厚,顆粒変性すなわちepidermolytic hyperkeratosisを伴い,列序性疣状母斑の特異型であるケラトヒアリン母斑と診断した.塩揉みの中止と保湿剤外用のみの治療で経過観察していたが,1か月後に受診したときには新生した紅斑はほとんど消失し,淡褐色でやや表面粗糙な局面になっていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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