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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻8号

1997年07月発行

文献概要

今月の症例

皮内に多発性の結節を認めた続発性全身性アミロイドーシスの1例

著者: 樋口哲也13 谷口裕子1 家本陽一2 片山一朗3 西岡清3

所属機関: 1茅ヶ崎徳洲会病院皮膚科 2茅ヶ崎徳洲会病院病理部 3東京医科歯科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.603 - P.606

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 全身性続発性アミロイドーシスでは,一般に皮膚へのアミロイド沈着は稀であるとされるが,全身に多発性に皮内の結節を認めた1例を報告した.症例:77歳,男.初診の約10か月前より,ほぼ全身に自覚症状のない結節が出現.胸部の結節では真皮下層に境界明瞭な無構造物質を認め,コンゴレッド染色で紅色に染色され偏光を示すが,過マンガン酸カリ前処置でコンゴレッド染色性,偏光性を失った.抗ヒトamyloid A com—ponentモノクローナル抗体を用いた酵素抗体法にて陽性でアミロイドA蛋白と確認された.他臓器へのアミロイド沈着は確認されなかったが,CTで肝腫瘍を認めHCV(+),α—fetoprotein高値で肝細胞癌に合併した全身性続発性アミロイドーシスと考えられた.肝細胞癌の経過中に産生された血清アミロイドAを由来としたアミロイド沈着の可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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