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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻8号

1997年07月発行

文献概要

症例報告

III型高脂血症患者に生じた黄色腫の1例

著者: 川口博史12 鈴木毅3 黒坂大太郎3 山田昭夫3

所属機関: 1国立相模原病院皮膚科 2横浜市立大学医学部皮膚科学教室 3国立相模原病院内科

ページ範囲:P.635 - P.637

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 アポE欠損による家族性高脂血症の患者に生じた黄色腫を報告した.症例は42歳男性で,約20年前より高脂血症を指摘され,その頃より手掌,関節背面に結節が出現,増加,拡大した.当科初診時,手掌には扁平な隆起,四肢,手背の関節背面には直径5cmくらいまでのやや黄色調を帯びた紅色の結節が多数認められた.血清コレステロール,中性脂肪は著しく上昇していた.患者の血清アポリポ蛋白E値は低値で,患者の父親と妹の血清アポリポ蛋白Eも軽度低下していた.またすでに報告したとおり,末梢血単核球を用いたノーザンハイブリダイゼーションではアポリポ蛋白EのmRNAの発現がほとんど認められなかったことから,自験例はアポリポ蛋白Eの欠損による家族性高脂血症にみられた黄色腫と診断した.現在カロリー制限,禁酒などの食事療法を継続中である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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