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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻9号

1997年08月発行

今月の症例

顔面の血管浮腫様の症状で発症した皮膚原発CD56陽性angiocentric lymphomaの1例

著者: 田中美佐子1 大越賢一郎1 田上八朗1 一迫玲2 澤井高志2

所属機関: 1東北大学医学部皮膚科教室 2東北大学医学部附属病院病理部

ページ範囲:P.697 - P.699

文献概要

 48歳,女.約3年前から顔面左側に浮腫が出現し,近医でQuincke浮腫の診断でステロイド投与を受け,一時腫脹が軽減するが再発を繰り返すため来院した.初診時,顔面左側に熱感を伴う腫脹があり,生検を行ったところ浮腫が強く診断がつかなかったが,表皮基底層,神経や血管周囲に強いリンパ球浸潤があり,リンパ腫も疑った.浮腫をできるだけ取り除くためにステロイドのパルス療法を行ったところ,腫脹が軽減し結節を触れたため,再度舟形に生検した.今度は真皮下層〜皮下組織にかけて血管壁への浸潤,破壊を伴う密な異型細胞の浸潤を認めた.異型細胞はCD56,CD2,CD11b,CD30陽性,CD3,CD16,CD19,CD20陰性の表現型をもち,捺印ギムザ標本ではアズール顆粒も認められた.患者は多剤併用化学療法を受けたが,治療開始後10か月で合併症のため死亡した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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