icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻9号

1997年08月発行

症例報告

バザン硬結性紅斑を合併した壊疽性丘疹状結核疹

著者: 大塚幹夫1 折笠玲子1 堀江収1 佐藤守弘1 岩月啓氏1 金子史男1

所属機関: 1福島県立医科大学皮膚科学講座

ページ範囲:P.721 - P.723

文献概要

 壊疽性丘疹状結核疹とバザン硬結性紅斑の合併例を報告した.患者は62歳,女性.慢性関節リウマチの治療として投与された薬剤によると思われる全身性の粟粒大紅斑を主訴に当科を初診したが,その約1年前より体幹,四肢に膿疱化,痂皮化を伴う紅色丘疹,および下腿に皮下結節が散在性に出没を繰り返していた.当科入院後,全身の紅斑は速やかに消退したが,丘疹,膿疱は新生を続けた.丘疹部の生検組織では表皮から真皮上層にかけて楔状の壊死巣があり,その周囲に類上皮細胞とリンパ球の浸潤が認められた.下腿皮下結節の組織では真皮下層から脂肪層にかけて類上皮細胞性肉芽腫とラングハウス型巨細胞を伴う乾酪壊死巣が見られた.それぞれ壊疽性丘疹状結核疹およびバザン硬結性紅斑に合致する所見と思われた.治療は抗結核薬の投与により皮疹の新生は認められなくなった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら