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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科51巻9号

1997年08月発行

文献概要

症例報告

Polymerase chain reaction法により迅速に診断しえた皮膚腺病の1例

著者: 大橋修一郎1 黒瀬信行1 紫芝敬子1

所属機関: 1日本赤十字社医療センター皮膚科

ページ範囲:P.725 - P.727

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 66歳,女性.約半年前に左胸鎖関節部腫脹出現.徐々に増大し鶏卵大となり,発赤,膿栓を伴うようになった.病理組織像は好中球膿瘍を伴う類上皮細胞肉芽腫,抗酸菌蛍光染色法陽性,膿汁を材料とする結核菌群polymerase chainreaction(PCR)法陽性,ツベリクリン反応強陽性より抗酸菌培養の結果を待たずに初診の8日後には皮膚腺病と診断した.病変部CTの結果,自験例は左胸鎖関節部から連続性に生じた皮膚腺病と考えられた.治療は抗結核剤2剤併用療法を19週施行後,病巣掻爬術,皮膚瘢痕除去術を行い,皮膚病変は略治した.皮膚結核の迅速診断には,結核菌群PCR法は有用であると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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