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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻1号

1998年01月発行

症例報告

全身広範囲にガス像をみた非クロストリジウム性ガス壊疽の1例

著者: 岩谷麻子1 金子高英1 矢口直1 伊奈慎介1 石川博康1 玉井克人1 橋本功1 漆館聡志2 四ツ柳高敏2 坪敏仁3 高橋伸也4

所属機関: 1弘前大学医学部皮膚科教室 2弘前大学医学部形成外科教室 3弘前大学医学部麻酔科教室 4泌尿器科教室

ページ範囲:P.54 - P.56

文献概要

 58歳男性の非クロストリジウム性ガス壊疽(NCGG)の1例を報告した.基礎疾患として多発性硬化症と糖尿病があり,仙骨部褥瘡の感染で発症したと考えられた.初診時X線検査で全身広範囲にガス像を認め,膿汁培養にてBacter—oides, Porphyromonasなどの細菌が検出された.当初,病変が広範なため外科的処置を施行できなかったが,その後の化学療法で全身状態の改善と,一部ガス像の消失を見たため,広範デブリードマン施行.連日排膿,洗浄を施行した結果,嫌気性菌陰性となった.NCGGの起炎菌は一般に常在菌が多く,健常人には通常病原性を発揮しない.糖尿病,消耗性疾患,褥瘡を伴う対麻痺などの慢性疾患をもつcompromised hostの目和見感染症として,NCGGに対する認識を改める必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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