icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻1号

1998年01月発行

症例報告

下腿腓骨筋部に発生した胞巣状軟部肉腫の1例

著者: 台丸裕1 波多野智恵2 佐藤茂樹2 杉田孝3 西阪隆4

所属機関: 1廣島総合病院病理研究検査科 2廣島総合病院皮膚科 3広島大学医学部整形外科学教室 4広島大学医学部第2病理学教室

ページ範囲:P.73 - P.75

文献概要

 17歳,女性.初診の5年前より左下腿に鶏卵大の腫瘤を認め,次第に増大してきた.軽度の貧血を認める.CTでは,腫瘤は腓骨筋内に存在し周囲への浸潤傾向は比較的低い血管豊富な軟部腫瘍である.生検により胞巣状軟部肉腫と診断された.腫瘍の広汎切除を行い広背筋皮弁による再建を行った.腫瘍の大きさは,4.5×3.0×2.7cmで,腓骨への浸潤は認めない.現在,術後7か月を経過するが再発の兆候はない.組織学的には,好酸性の広い細胞質をもつ大型細胞よりなり,細血管が豊富で特徴的な胞巣状の類臓器構造を示す.腫瘍周辺では,脈管侵襲が著明であった.PAS染色で,細胞質内に針状・棒状の結晶構造を認める.腫瘍細胞は免疫組織学的に,des—minとactinが陽性であり,cytokeratinとvimentinは陰性であった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら