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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻10号

1998年09月発行

症例報告

2回目の妊娠で再燃しなかった妊娠性疱疹の1例

著者: 高橋慎一1 稲本伸子2 橋本隆3

所属機関: 1東京歯科大学市川総合病院皮膚科 2北里研究所病院皮膚科 3久留米大学医学部皮膚科学教室

ページ範囲:P.825 - P.827

文献概要

 妊娠性疱疹の1例について報告した.症例は25歳女性.妊娠29週より,臍周囲に掻痒を伴う紅斑出現.ほぼ全身に拡大し,水疱を伴うようになった.病理組織所見は,好酸球浸潤を伴う表皮下水疱で,蛍光抗体直接法にて表皮基底膜部のIgG, C3の沈着を認めた.血中IgG抗表皮某底膜部抗体およびHG因子陽性.表皮抽出蛋白およびリコンビナント蛋白を用いた免疫プロット法で,230kD蛋白および180kD類天疱瘡抗原に対する抗体が検出された.ステロイド外用にて皮疹は軽快し,出産後約3か月で皮疹は消失した.臍帯血および出生3日後の児血中の抗表皮基底膜部抗体は陽性,HG因子は陰性で,児には皮疹は認められなかった.出産後,血中抗体価,HG因子とも次第に低下し,約3か月で消失した.第1子出産2年後に妊娠が確認されたが,血中抗表皮基底膜部抗体・HG因子とも陰性.2回目の出産前後では皮疹の再燃は認められなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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