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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻10号

1998年09月発行

文献概要

症例報告

CD4/8比の低下を伴い血疱を呈した壊疽性膿皮症の1例

著者: 泉裕乃1 相澤浩1 新村眞人1 三原一郎2

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室 2三原皮膚科

ページ範囲:P.829 - P.831

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 20歳,男性.2週間前より右大腿,左足内側,左耳後部に疼痛を伴う隆起性浸潤性紅斑が出現し,39℃台の高熱とともに右大腿は16×14cmの堤防状に隆起する鮮紅色の潰瘍,左足内側は9×4.5cmの緊満性血疱,左耳後部は1×1cmの小潰瘍となった.血液検査にて白血球の軽度増加とCRPの増加を認め,CD4/8比は0.32と低下していた.内視鏡検査にて上行結腸から横行結腸にかけて多発性潰瘍がみられ,内視鏡所見と大腸生検によりクローン病とも潰瘍性大腸炎ともいえず,分類不能型腸炎と診断した.病理組織所見にて真皮全層に好中球の密な浸潤と真皮深層の血管壁への好中球の浸潤およびフィブリノイド変性を認め,周囲の炎症の波及した二次的な血管炎と考えた.分類不能型腸炎を伴う壊疽性膿皮症と診断し,プレドニン®とサラゾピリン®にて治療し約2か月で上皮化した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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