icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻11号

1998年10月発行

文献概要

症例報告

臨床的に基底細胞腫との鑑別を要したpigmented actinic keratosisの1例

著者: 安川香菜1 小野塚貴1 加藤直子1

所属機関: 1国立札幌病院皮膚科

ページ範囲:P.938 - P.940

文献購入ページに移動
 74歳,女性.7年前より右頬部に黒色斑が出現した.放置していたが,次第に拡大した.右頬部に12×18mm大の不整形で軽度の角化を伴う黒色局面を認め,中央は一部退色していた.臨床像から基底細胞腫を疑い,鑑別として,悪性黒子,脂漏性角化症を挙げた.生検を施行し,組織学的に表皮萎縮,異型基底細胞と涙滴状増殖,真皮の日光変性,基底層のメラニンの増加と真皮上層にメラノファージを認め,pigmented actinickeratosisと診断した.他に表皮内と真皮乳頭層にアミロイド沈着を認めた.病変辺縁から2mm離して脂肪層上層まで切除し,全層植皮を施行した.自験例の反省を含め,露光部の黒色斑の鑑別として念頭におくべき疾患の一つと考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?