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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻12号

1998年11月発行

文献概要

症例報告

Mobitz II型房室ブロックを認めた進行性全身性硬化症の1例

著者: 樋口哲也1 沢田泰之1 中村悟1 丸山隆児1 横関博雄1 西岡清1 石山茂2 安達進2 廣江道昭2 丸茂文昭2 谷口裕子3

所属機関: 1東京医科歯科大学皮膚科学教室 2東京医科歯科大学第2内科学教室 3茅ヶ崎徳洲会病院皮膚科

ページ範囲:P.1021 - P.1024

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 無症状で経過中にMobitz II型の房室ブロックをHolter心電図検査にて診断され,DDD typeのペースメーカーを挿入した進行性全身性硬化症(PSS)の1例を報告した.症例は47歳男性.2年前よりRaynaud症状,乾性咳嗽出現.初診時,硬化は上肢から体幹に及びBarnett III型のPSSの診断のもとに全身検索中に,Holter心電図にて最大RR間隔4.5秒のMobitz II型の房室ブロックが検出されペースメーカーを挿入した.心筋タリウムシンチグラフィーで心筋のびまん性障害,心筋生検で心筋の血管周囲性の線維化を認め,PSSによる心筋の線維化が房室結節近傍に生じたと考えられた.また,間質性肺炎,逆流性食道炎の合併を認めた.PSSを含めた膠原病の心筋病変の精査でHolter心電図が有用であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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