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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻12号

1998年11月発行

文献概要

症例報告

ブラジル鉤虫によるcreeping eruptionの1例

著者: 松葉祥一1 馬場忠哲1 小林雅明1 坪井良治1 小川秀興1 麻生和雄2

所属機関: 1順天堂大学医学部皮膚科学教室 2麻生皮膚科クリニック

ページ範囲:P.1041 - P.1043

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 35歳,英国人男性.カリブ海諸島旅行後,右足背に水疱,綿状紅斑が出現.生検組織において虫体は認められなかったが,表皮内に海綿状態,水疱,好中球と好酸球の侵入を認めた.各種寄生虫に対する血清抗体検査はいずれも陰性.特徴的な臨床像,発症部位,感染地域からブラジル鉤虫によるcreeping eruptionが示唆された.治療として15%チアベンダゾールクリームの密封療法を行い著効を示した.本邦におけるcreep—ing eruptionの原因寄生虫としてブラジル鉤虫は稀であるが,海外渡航者では念頭に置くべき疾患と思われ報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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