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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻12号

1998年11月発行

文献概要

症例報告

下眼瞼に生じた単発性神経鞘腫

著者: 坂井真木1 川上民裕1 斉藤隆三1

所属機関: 1東邦大学医学部第二皮膚科学教室

ページ範囲:P.1047 - P.1049

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 48歳の右下眼瞼やや外側に生じた単発性神経鞘腫を報告した.臨床像は直径17mmの弾性やや硬,皮表より扁平隆起した下床と可動性のある皮下腫瘤で,圧痛,自発痛を伴わない.組織像は皮下脂肪織内に線維性被膜で覆われた楕円形の腫瘍塊をみる.中央部はまばらな紡錘形の核をもつ腫瘍細胞と浮腫状の間質が占め,硝子化した壁をもつ血管が散見されるAntoni B型をなす.辺縁には好酸性の胞体をもち紡錘形の核よりなる細胞が稠密にみられるAntoni A型を認める.S—100蛋白染色は腫瘍全体に陽性所見を得,Bodian染色は陰性,Luxol-fast-blue染色陽性を示した.本症の鑑別診断について言及するとともに本邦報告例を集計し統計学的考察を加えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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