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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻13号

1998年12月発行

文献概要

症例報告

スプロフェンによる光接触皮膚炎(UVA)およびUVBによる光線過敏症を示したアトピー性皮膚炎の1例

著者: 大島昭博1 戸倉新樹1 瀧川雅浩1

所属機関: 1浜松医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1080 - P.1082

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 患者は29歳,男性.アトピー性皮膚炎にて加療中.平成元年より,夏季に日光曝露後の皮疹増悪を自覚した.平成2年から4年にスプロフェン軟膏を使用した.平成1年12月より冬季にも日光曝露後に皮疹が増悪するようになった.スプロフェン軟膏の光貼布試験はUVAにて陽性,さらに光線テストではUVAに対する反応およびUVBの最小紅斑量(MED)は正常にもかかわらず,UVB反復照射にて紅斑,丘疹が出現した.スプロフェン軟膏中止,遮光,ステロイド剤外用および抗アレノレギー剤内服にて経過観察し,約2年後より日光曝露後の皮疹増悪は改善した.本症例では,1)スプロフェンによる光接触皮膚炎(UVA)と,2)UVBによる光線過敏症の両者が存在し,後者はスプロフェン光接触皮膚炎の発症前より起こり,一過性に消失したと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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