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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻13号

1998年12月発行

文献概要

症例報告

南アフリカから帰国後に発症した紅斑熱群リケッチア症の1例

著者: 田嶋徹1 本田まりこ1 新村眞人1

所属機関: 1東京慈恵会医科大学皮膚科学教室

ページ範囲:P.1108 - P.1111

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 54歳,男性.初診の18目前まで南アフリカのスワジランド王国に渡航し,山中で井戸のポイント調査をしていた.帰国後,初診の8日前に左鼠径部の有痛性皮下結節に気づき,5日前から37℃台の熱発と両肘・膝関節痛が出現,3日前から全身に散在性の紅色丘疹と小水疱が出現した.患者は自覚していなかったが左下腿後面に虫刺様の皮膚小潰瘍がみられたことから,リケッチア症が疑われた.ミノマイシン®とロキソニン®を投与したところ,速やかに皮疹は消失した.ペア血清で紅斑熱群リケッチアに対する抗体価の有意な上昇がみられたことから,紅斑熱群リケッチア症と診断した.虫刺様皮疹の病理組織は壊死性血管炎の像を呈していた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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