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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻2号

1998年02月発行

文献概要

症例報告

パッチテストと経口負荷テストが陽性を示したペルーバルサムアレルギー

著者: 大沼すみ1 神宮きよみ1 武川るみ1 川口とし子1 北村和子1 池澤善郎1

所属機関: 1横浜市立大学医学部附属浦舟病院皮膚科

ページ範囲:P.119 - P.121

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 79歳,男.17年前から体幹,四肢に瘙痒性皮疹あり.パッチテストにてペルーバルサムが陽性.このため,ペルーバルサムの内服負荷試験を行ったところ,体幹,四肢の紅斑,丘疹の悪化を認めた.ペルーバルサムは種々の化粧品,各種食品のフレーバーの他に,油絵の具にも含まれている.自験例も油絵を描くのが趣味で,週1回は必ず油絵の具に触れていたことが判明した.油絵の具との接触を減らし,クロモグリク酸ナトリウムの内服およびペルーバルサム含有食品の除去により,皮疹の軽快を認めた.全身性ペルーバルサムアレルギーの報告は,本邦ではまだ見られないが,欧米では数例の報告が見られる.我々の日常生活に幅広く関与するペルーバルサムのアレルギーについて若干の考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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