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文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻3号

1998年03月発行

文献概要

症例報告

網膜剥離をきたしたアトピー性皮膚炎の1例

著者: 白石葉月1 片根正恵1 松尾聿朗1 木田淳子2

所属機関: 1帝京大学医学部附属市原病院皮膚科学教室 2帝京大学医学部附属市原病院眼科学教室

ページ範囲:P.221 - P.223

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 21歳,女性.幼児期よりアトピー性皮膚炎と診断され治療を受けていた.初診数か月前に治療を中止したところ,皮疹は徐々に悪化,紅皮症の状態となり,特に両上下眼瞼は湿潤していた.眼痛を訴えたため,眼科を受診したところ両眼角結膜炎,両眼白内障と診断され,眼痛は角結膜炎の治療により消退した.角結膜炎治癒後,眼底検査で右眼の赤道部に裂孔を認め,同部を中心に網膜剥離(裂孔原性網膜剥離)が発見され,強膜バックリング術で復位した.患者はうつ病の治療中で,同部を強く掻破していたことから外傷が網膜剥離の誘因と考えられた.アトピー性皮膚炎に伴う網膜剥離の報告は1980年頃から眼科領域で増加傾向がみられる.顔面の重症アトピー性皮膚炎患者を診た場合は眼底検査が必要と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

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