icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床皮膚科52巻3号

1998年03月発行

文献概要

症例報告

非特異的肝炎像を呈した成人Still病の1例

著者: 奥芝幹代13 加藤直子1 田村あゆみ1 久居弘幸2

所属機関: 1国立札幌病院皮膚科 2国立札幌病院内科 3奥芝外科皮膚科医院

ページ範囲:P.265 - P.267

文献購入ページに移動
 紅色皮疹,発熱,関節痛,筋肉痛で発症した成人Still病の30歳の女性例を報告する.皮疹は粟粒大から小豆大までの淡紅色小紅斑で数時間持続後消退した.ケブネル現象が陽性でシャワー等の温熱刺激で再燃する,いわゆるリウマトイド疹と呼ばれる定型的皮疹を示した.病理組織所見では真皮に軽度の浮腫と拡張した血管を認め,その周辺と血管内に好中球およびリンパ球様細胞の軽度の浸潤が認められた.蛍光抗体法直接法では免疫グロブリンおよび補体の沈着は認められなかった.頸部のリンパ節腫大および脾腫を認め,末梢血の白血球数の増加,CRPの強陽性,赤沈値の亢進,フェリチンの著増,および若干の肝機能障害を伴った.肝生検では肝細胞の壊死と中心静脈周囲のリンパ球様細胞の浸潤が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1324

印刷版ISSN:0021-4973

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?